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Pokky1
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vSANの接続性コンポーネントの機能につきまして

いつもお世話になっております。


vSAN 7.0u2 以降に搭載されている接続性コンポーネントの
機能の詳細について、ご質問、ご確認させてください。


・前提としまして、例えば4ノードのvSANクラスタ(VMは全てFTT1ミラー)の
1台で何らかの障害が発生してそのホストのVMにはアクセスできなく
なった場合、ミラーリングしているもう1つのVMへの書き込み差分を
別の正常なホストのとある領域へコピーし続けるというような
動きになる理解でよいでしょうか?


・上記の理解で正しい場合、リシンクが実行される前に
障害ホストが復旧した場合は、増分のみのデータをアクセス不可だった
VMにマージする動きになって、マージ後増分データは削除される・・・
逆に60分経ってリシンクが実行された場合は
正常なVMからまるまるフルコピーが実行され、3ノードの構成で
VMの冗長性が完全に確保された後は書き込み差分の
領域は削除される動きになる、という理解でよいでしょうか?


その場合、この機能自体が無かった昔は
リシンクが実行される前に障害ホストが復旧した場合でも
再度フル同期が走っていたのでしょうか?
(そうでないと今回の機能で増分のみの同期になったので
復旧性が向上しましたと言えない気がしまして・・・)


・仮にFTT1(ミラー)のVM両方に障害が発生してユーザからそのVMにアクセス
できない場合などはこの機能も停止する、という理解でよいでしょうか?


以上、何卒よろしくお願いいたします。

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kawaman
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以下、Q と A を分けて書きますね

■ Q1.
> ・前提としまして、例えば4ノードのvSANクラスタ(VMは全てFTT1ミラー)の
> 1台で何らかの障害が発生してそのホストのVMにはアクセスできなく
> なった場合、ミラーリングしているもう1つのVMへの書き込み差分を
> 別の正常なホストのとある領域へコピーし続けるというような動きになる理解でよいでしょうか?

▼ A1.
持続性コンポーネント自体は最小 3Node で 1台ダウンした際も、Witness が置かれているホストに一先ず差分書き込みの持続性コンポーネントを保存します。

これにより、最悪もう 1 台の 仮想マシンのデータが置かれた ESXi ホストがダウンして VM 自体が強制終了されても、最初にダウンした ESXi が復旧し、Witness に置かれた差分の持続性コンポーネントと復旧した ESXi に格納されていたデータを合成して、VM が強制終了する直前までのデータが再構成され、VM がより新しい状態で HA により再起動します。

 

■ Q2.
> ・上記の理解で正しい場合、リシンクが実行される前に
> 障害ホストが復旧した場合は、増分のみのデータをアクセス不可だった
> VMにマージする動きになって、マージ後増分データは削除される・・・

▼A2.
その理解で合っています。

 

■ Q3.
> 逆に60分経ってリシンクが実行された場合は正常なVMからまるまるフルコピーが実行され、3ノードの構成で
> VMの冗長性が完全に確保された後は書き込み差分の領域は削除される動きになる、という理解でよいでしょうか?

▼ A3.
再構成が開始されている場合も、再構成完了前に落ちていた ESXi が復旧した場合、
このまま再構成を継続するか、復旧した ESXi の元データに差分をマージしたほうが早いか計算され、
より早く復旧する方で再構成が行われます。

再構成が完了している場合は復旧した ESXi の対象 VM の VMDK と持続性コンポーネントは削除されます。

 

■ Q4.
> その場合、この機能自体が無かった昔はリシンクが実行される前に障害ホストが復旧した場合でも
> 再度フル同期が走っていたのでしょうか?
> (そうでないと今回の機能で増分のみの同期になったので復旧性が向上しましたと言えない気がしまして・・・)

▼ A4.
この時の動きが A3 で説明した「より早く再構成が完了する方を自動で選ぶ」仕組みになり、
従来からあった再構成の仕組みに持続性コンポーネントコンポーネントが加わりより柔軟に対応できるようになった感じです。

 

■ Q5.
> ・仮にFTT1(ミラー)のVM両方に障害が発生してユーザからそのVMにアクセス
> できない場合などはこの機能も停止する、という理解でよいでしょうか?

▼ A5.
持続性コンポーネント、データの再構成のどちらも書き込み IO があり、アクセスできるデータのどちらかが活きていることが前提なので、
FTT1 RAID1 構成時に2重障害で両データにアクセスできなくなった場合はどちらも停止して、停止した ESXi が復旧したら VM への IO も復旧します。

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5 Replies
kawaman
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以下、Q と A を分けて書きますね

■ Q1.
> ・前提としまして、例えば4ノードのvSANクラスタ(VMは全てFTT1ミラー)の
> 1台で何らかの障害が発生してそのホストのVMにはアクセスできなく
> なった場合、ミラーリングしているもう1つのVMへの書き込み差分を
> 別の正常なホストのとある領域へコピーし続けるというような動きになる理解でよいでしょうか?

▼ A1.
持続性コンポーネント自体は最小 3Node で 1台ダウンした際も、Witness が置かれているホストに一先ず差分書き込みの持続性コンポーネントを保存します。

これにより、最悪もう 1 台の 仮想マシンのデータが置かれた ESXi ホストがダウンして VM 自体が強制終了されても、最初にダウンした ESXi が復旧し、Witness に置かれた差分の持続性コンポーネントと復旧した ESXi に格納されていたデータを合成して、VM が強制終了する直前までのデータが再構成され、VM がより新しい状態で HA により再起動します。

 

■ Q2.
> ・上記の理解で正しい場合、リシンクが実行される前に
> 障害ホストが復旧した場合は、増分のみのデータをアクセス不可だった
> VMにマージする動きになって、マージ後増分データは削除される・・・

▼A2.
その理解で合っています。

 

■ Q3.
> 逆に60分経ってリシンクが実行された場合は正常なVMからまるまるフルコピーが実行され、3ノードの構成で
> VMの冗長性が完全に確保された後は書き込み差分の領域は削除される動きになる、という理解でよいでしょうか?

▼ A3.
再構成が開始されている場合も、再構成完了前に落ちていた ESXi が復旧した場合、
このまま再構成を継続するか、復旧した ESXi の元データに差分をマージしたほうが早いか計算され、
より早く復旧する方で再構成が行われます。

再構成が完了している場合は復旧した ESXi の対象 VM の VMDK と持続性コンポーネントは削除されます。

 

■ Q4.
> その場合、この機能自体が無かった昔はリシンクが実行される前に障害ホストが復旧した場合でも
> 再度フル同期が走っていたのでしょうか?
> (そうでないと今回の機能で増分のみの同期になったので復旧性が向上しましたと言えない気がしまして・・・)

▼ A4.
この時の動きが A3 で説明した「より早く再構成が完了する方を自動で選ぶ」仕組みになり、
従来からあった再構成の仕組みに持続性コンポーネントコンポーネントが加わりより柔軟に対応できるようになった感じです。

 

■ Q5.
> ・仮にFTT1(ミラー)のVM両方に障害が発生してユーザからそのVMにアクセス
> できない場合などはこの機能も停止する、という理解でよいでしょうか?

▼ A5.
持続性コンポーネント、データの再構成のどちらも書き込み IO があり、アクセスできるデータのどちらかが活きていることが前提なので、
FTT1 RAID1 構成時に2重障害で両データにアクセスできなくなった場合はどちらも停止して、停止した ESXi が復旧したら VM への IO も復旧します。

Pokky1
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kawamanさん

詳細にご回答いただき大変ありがとうございます。理解できました。

すみません・・・2点疑問が浮かんできまして、お手数おかけしますが再度ご質問させてください。

 

・接続性コンポーネントの機能は
vSANクラスタをアップグレードするときなどの
メンテナンスモード(アクセシビリティの確保等)で
VMの冗長性が失われている場合も起動するのでしょうか?


・この機能は有効/無効といったことはできますでしょうか?
もし可能な場合、設定単位(クラスタ単位なのかホスト単位なのか
VM単位なのか等)はどのレベルで可能でしょうか。
1台のホスト障害時でディスク容量が少なくなるうえに、
増分書き込みデータも別ホストに格納するとなると容量圧迫が
心配だなと思いまして・・・

 

以上、何卒よろしくお願いいたします。

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kawaman
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持続性コンポーネントは通常の予期されたメンテナンモードにおいても動作します。
vSAN のストレージポリシーで定義した FTT を満たしていない場合は作成されます。

この機能は無効化は内部的には出来るかもしれませんが KB などで確認したことがないので基本的にデフォルト有効のままと思ってください。

また、無効化出来ないからといっても、ホスト障害時はどちらにしても (N+1 の余裕があれば) 一定時間経過後にはデータの再構成が走りますし、
その際にはその差分データも含めての再構成となります。
後から書き込まれる容量分が先行して書き込まれているだけなので、持続性コンポーネントによる容量逼迫は考慮しなくても大丈夫です。

 

Pokky1
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kawamanさん

ありがとうございます。理解できました!

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nkaneda1
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遅レスですが、持続性コンポーネントの動作を把握するための参考リンクを貼っておきます。

解決済み: VXRAILのノード障害時の使用可能容量について - Dell Community

 

↑3ノード構成時の持続性コンポーネントの挙動について

 

https://core.vmware.com/vsan-interactive-infographic

 

↑持続性コンポーネントの動作をアニメーションで把握できるサイト

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